先日,法面が一部崩壊している現場にて,簡易動的コーン貫入試験を実施しました。

レーザースキャナーやドローンで測量した3次元点群データで横断を切り,簡易動的コーン貫入試験から得たN値から土の強度定数(内部摩擦角φ,粘着力c)を算出したり,土質を割り当てたりして,安定計算を行うのが目的です。

簡易貫入試験では,ロッドが100mm程度貫入するのに要する打撃回数からNd値を計算し,それを標準貫入試験の(SPT)N値に換算します。

打撃回数をNdに換算して,それをさらにN値に換算するので,ややこしいですが(土質によって換算式も多少変わります),だいたい打撃回数の半分前後がN値というのが,試験中にN値を想定する目安になるかと思います。

標準貫入試験と呼ばれる,いわゆるボーリング試験のように土質サンプルを採取したりはできませんし,測定できる深さもせいぜい5m程度までで限界があります。

ただ,5kgの重りを人力でかちゃかちゃとやるだけで,砂質土なのか,粘土なのか岩なのか程度はわかりますし,N値も得られるので,重宝する試験方法です。ただ1か所で数百回は重りを持ち上げて離してを繰り返すので,二の腕はかなり疲れますよね(笑)