今日は節分ですね。恵方巻は食べました?
節分って個人的には1年の中でも”そういえば”って思い出すくらいのイベントNo.1かもしれないです。それと双璧をなすのが七夕でしょうか。
子どものころに実家の畳の部屋で豆まきをして、年の数だけ食べてっていうのをやっていた記憶があります。自分が親になって子どもにもしてやろうと思ったこともありましたが、今の家でそれをやったら投げた豆が2度と見つかりそうにありません。。。なので袋のまま投げています。
さて、唐突に本題となりますが、鉄筋挿入工は全面定着だけれど。。ってことについて書いていきたいです。
鉄筋挿入工の現場の設計照査や施工をしているとき、一度は全面定着だからって言葉を口にしたり耳にしたりするんではないでしょうか?もしくは削孔中に、ここの定着地盤はなに?や定着層の岩が出てこないなーって会話があるのも日常だと思います。
削孔注入の一連の際に例えば岩やそれっぽいスライムが出てこなかったら、発注者に定着の考え方について説明を求められることも多々ありますよね。ロックボルトはグラウンドアンカーと違って全面定着なので、定着層が岩である必要はありません、などと説明することもあるでしょう。
一方で勘違いしてはいけないこととしては、ロックボルトが全面定着といっても補強材は想定したすべり面より深く挿入されている必要があるということですよね。
ロックボルトが想定したすべり面より浅く設置されている場合、そのすべりの安全率の向上には計算上の効果がないことはご存知の通りです。
そのことについて、ロックボルト(鉄筋挿入工)の補強効果が視覚的にわかりやすく表現できたので、ご紹介します。
下の図は、斜面のすべり面に働く有効応力(すべり面に垂直)をすべり円弧を例によってスライスに分割して表示した結果です。
各スライスの底面から伸びている紺色のバーが有効応力の値です。円弧ですがほぼ直線的なので、スライスの重量が大きくなると、底面に垂直に働く応力が大きくなっているのが一目瞭然です。難しいことを考えなくても、すべり円弧のスライスからなんとなくイメージ通りです。
つぎは、これをアップにします。各スライスごとにその底面に垂直な応力が計算されているのがよくわかります。
この応力は、移動土塊をすべり面に対して垂直に抑え込んでいる力を底面積で割った値なので、大きいほうが移動土塊が押さえつけられて滑りにくいことを意味します。以前のブログで書いた、本をテーブルに押さえつける力です。
土のせん断強さsを示す下記クーロンの式でいうσ(kN/m2)にあたります。
s = c + σtanφ (kN/m2) ー ①
では次に、各土質定数と上記の応力から計算されるすべり面のせん断強さを表したのが下の図です。
赤色がせん断強さの大きさを示しています。上と同様に、各スライスの底面で計算されたせん断強さ(kN/m2)です。
式①にスライス底面な引き止め効果も含めて、このスライス底面のせん断強さがせん断力より大きいと、安全率が1.0より大きくなります。
以上を踏まえて、次回はこの斜面にロックボルトを挿入してみます。
補強材が入ることで、すべり面に垂直な応力やすべり面のせん断強さはどのように変化するでしょうか?
また、全面定着していても、補強材がすべり面より浅い場合はどうなるでしょうか?
次回に続きます^^