古の時代から、人間は伝統や歴史などを物語として語り継いできました。
物語は、単なるフィクションとしての娯楽要素だけではなく、物事を人に印象付けて記憶させる力があります。
時には記憶するだけでなく、物語に引き込まれて感化されることで、エネルギーを持ってある方向へ突き動かされ、なにかしらの事件となることもあったでしょう。
そんな力が注目されて、ビジネスの世界でも、従来の箇条書きで内容を詰め込んだプレゼンテーションから、ジョブズのようにシンプルに文字を大きく見せて、あとは語り部がストーリーを語るスタイルに移行してきました。
窮屈なスライドよりも、おもしろいお話のほうが、結局人を惹きつける力を持っていたようです。
これは個人的には、子どもに絵本を読み聞かせていると特に感じることです。
絵本って最小限必要な文字とチャーミングな絵でストーリーを語るので、ある意味すごく引き付けられるプレゼンテーションだと思っています。
しかも聞き手は注意力散漫な子どもです。それを惹きつけることができれば、大抵だれでも大丈夫なはずです。
今私はこの絵本からプレゼンテーションを学んでいるんだと思うと、エンドレスな読み聞かせにも耐えられる気がします笑。
そして物語の面白いところは、緻密な計算やデータと同じくらい、重要な価値判断基準になり得ることです。
誰しも経験があると思いますが、うまくいくものってビジネスでも恋愛でも工事でも、然るべきタイミングで然るべきイベントが発生し、然るべき人が現れ、それなりの困難をいくつか乗り越えて、結局良いところに着地します。
読書感想文を書くみたいにその物語を振り返ると、予想外のイベントがいくつも発生しながらも起承転結がすっきり見える、面白い物語に仕上がっているはずです。
とりあえずそれなりの物語が語れるかどうかで、ことの良し悪しは最初の段階で最低限判断できると思います。