毎日何度も自社の現状や将来について考えるタイミングがありますが、将来について考えるときには、人について考えるときと、今売りにしている技術がこの先いつまで通用するだろうかと考えるときがあります。人や技術について、何か手を考えなければと、すごく焦燥感にかられることもあります。

今武器にしている法面施工技術も10年、20年近くずっと世の中に出ているわけで、いつまでも斬新な技術であり続けられるわけではありません。

ただ救いなのが、土木の場合ほかの市場と違うのは、古いものが新しいものと同じかそれ以上に価値を持っているということです。

古いということは実績が十分にあるということで、古い故により信用を得て競争力を持つと言えなくもないです。
弊社が強みとしているSD工法も、これ以上基本的な仕組みをシンプルにしようと思えば、かなり画期的なイノベーションが求められます。そんな抜本的な変化が起こるときは、他にもいろんなことが変わっているでしょう。

それに、実績ある施工会社はこれまでの過程でノウハウをため込み、ぱっと見ではわからないような小さなイノベーションを繰り返しています。そう考えると、実績とイノベーションを日々両立させて、競争力が日に日に高まっていると考えてもいいのかもしれません。ちょっと楽観的過ぎるかもしれませんけどね。

古い技術だけでなくて、古い人というと語弊がありますが、ベテランにも同じことが言えます。どんなに最新鋭の機械やソフトを使って課題に挑んでいても、ベテランに相談する5分、10分から得られるアドバイスには敵いません。

古い技術、実績ある技術には、価値があります。それをベースに時代や状況に合わせて技術を磨いていけば、時代が進んでもそう恐れることはないのかなと思ったりもします。それを続けていると、磨いている最中に手が滑って何かまた新しいものが見つかる、そんな気がすることにして気持ちを落ち着ける日もあります。