先日行ったアースアンカー現場実験の後、原位置でベーンせん断試験を実施し、粘土の非排水せん断強度 cu を求めました。
ベーンせん断試験は、ベーンと呼ばれる羽根を地中で回転させてその回転抵抗から地盤のせん断強さを求める試験です。
以下はその計算式です。
試験の結果、実験現場における粘土の 非排水せん断強度cu (ベーンせん断強さ τ)は、約7~30 (kN/m2)の範囲にありました。
ベーンせん断強さは、その場で素早く行っておりますのでパラメーターとして cu を使いました。また、この cu は、粘土のせん断強さなので、粘着力Cと同義として捉えています。
粘土が2種類ありましたので、試験する場所によってややばらつきが出ています。
ベーンせん断試験は、簡易動的コーン貫入試験よりは比較的馴染みの薄い試験だと思います。現場条件によって限界もありますが、軽量な道具で簡単に cu をはかることができ、大変便利で実用的な方法です。
このほかに当現場では、簡易動的コーン貫入試験によって、みんな大好きなN値も出しています。
次回は、そのN値をC(粘着力)を推測する関係式にあてはめてみます。
計算によって推定したCと、ベーンせん断試験の結果にどの程度差が出るでしょうか。
整合性を検証してみたいと思います。