地盤が透明であれば、アリの巣を観察するよりさらに鮮明に土粒子の動きやアンカーの引抜き挙動を調べることができます。この透明地盤、砂粒大の透明なガラスなどを敷き詰めても透明にはなりません。簡単にできそうですが、現在でも透明な砂地盤を再現できる方法は限られています。
東京都市大学の研究に詳しいことが書いていますので、以下ご参照ください。
地盤と構造物の相互作用による現象把握のための可視化技術に関する基礎的研究
透明地盤をつくるのは、砂状の個体と液体の屈折率をマッチングさせて、透明に見せる手法です。砂状の個体としては、溶融石英、液体としては流動パラフィンや砂糖水を用いてそれらの屈折率をマッチさせています。
いろいろと調べましたが、砂状の個体と屈折率が一致する液体との組み合わせが他にほとんどありません。屈折率の微調整はマッチさせるまでに緻密な管理を要しますので、ある程度の規模の透明地盤を作成するのは、それだけで研究対象になってしまうほどです。
弊社は透明地盤の代わりに、2次元モデルの砂地盤をつくって引抜き中の画像を解析することで、アンカーの引抜きと土粒子の挙動を十分に把握することができました。
ただ、研究とは関係なく、おもしろそうなので透明地盤をつくって遊んでいます。砂地盤は溶融石英で作るしかなさそうなのでパスして、消臭ビーズなどで試しているので、粘土っぽい条件かもしれません。
後日模型のアンカーで試す予定ですが、とりあえず本物のアンカーを入れて試してみました。明らかにサイズ違いです(笑)。ただ、軟弱な地盤ではアンカーの重みもあって、アンカーヘッドはすぐに開こうとすることがわかりました。
またサイズに合った模型で試して報告します。