9月20日、ICPE2018の2日目のセッションにおいて、当社のアースアンカーに関する研究報告を行ってきました。

圧入工学に関する発表がメインの国際会議ですので、アンカーについて発表したのはおそらく当社だけだったのではないかと思います。
杭がメインとなる圧入工学の発表が続く中で、圧入とは一見無関係なアンカーについて発表することにやや抵抗を感じておりました。
ただ、アースアンカーは圧入工学に近い要素を含んでいることもあり、発表後はイギリスやウクライナの専門家から質問も頂き、興味をもっていただけたようでした。

ICPE2018セッション

ICPE2018当社発表セッションの様子

アースアンカーが通常のアンカーと異なり圧入工学の要素を含んでいるのは、それが削孔を必要とせず、打撃によって土中に貫入していく点です。
圧入に関する専門家が集まる国際会議ですので、アンカー打設に関する質問を予想しておりましたが、頂いた質問はすべてアンカーが支圧抵抗を得る際の地盤破壊のメカニズムについてでした。

アースアンカーは、アンカーヘッドを拡張させてその支圧抵抗をもってして引張力を得るのですが、その際地盤に作用する力には一定の法則があることが、これまでの模型地盤を用いたアンカー押上げ実験の画像解析から観察できています。
それは2次元レベルの法則なのですが、地盤破壊の挙動から得たその理論値と実際の引抜実験での抵抗力が定量的にも定性的にも一致しているため、同様の理論が3次元にも適用可能だと考えております。

少しずつではありますが、室内実験と野外実験の結果から、一歩ずつたしかにアースアンカーの挙動が明らかになってきております。
その研究結果を学会という場で専門家の前で発表できることはありがたく、今回はとくに国際会議でしたのでいろんな目線から意見をいただけました。

またこうした学会で発表できる研究をこれからも行っていく所存です。