昨日、社内で回覧された冊子を読んでいて、”建設ディレクター”という言葉をはじめて知りました。
建設業の職種といえば、従来から職人と施工管理者という大きなくくりがあります。
大手やゼネコンであればそこに設計者や積算担当者もいらっしゃるのでしょうけれど、とくに我々のような規模の多くの土木建設業者は、いずれかを兼務されていると思います。
兼務では必然的に仕事内容も多く、最近ではi-ConstructionでICT活用も進んできているため、良くも悪くもICTも取り入れなければならず、ベテランの管理者には負担になっていることも多いはずです。
総合評価で受注するためには工事点数で高得点を取る必要があるので、工事書類の作成にも力を入れないといけませんし、若手も育てなくてはなりません。採用も強化しなくてはなりませんが(しかも予算を掛けずに)、この業界はまだまだ3Kと呼ばれ、現場技術職・施工管理職では応募者自体がなかなか集まりません。一方で、事務職やICT関係で求人を掛けると応募は比較的簡単に集まります。
弊社はこんな流れの中で、施工管理者の負担を減らすためにICT担当の女性を採用して育成してきました。今では写真整理に加えて、工事書類を一式作成できるようになっています。それプラス起工測量、UAV測量、TLS測量、点群データ解析、出来形検測ができて社内のムードもつくってくれているのが弊社のICTチームです。
”建設ディレクター”という言葉を知って、新しい職域が自然発生的に社内に生まれていたことに気づきました。
彼女らの仕事内容は、いわゆる事務職ではなくて、測量などの技術職に加えて成長すると現場や社内のコーディネーター的な役割も担うことができるので、建設ディレクターという言葉は決して大げさなものではないと思います。
別に女性に限定された職域ではなくジェンダー的な発言が問題視されがちな昨今なので言い方には注意しますが、本当に女性持ち前の能力が大いに生かせる職域だと思います。
従来の職域や性別を超えて建設業での活躍の裾野が広がることで、担い手確保や働き方改革につながりますし、建設業界のイメージも変わるはずです。
そして、現場の技術的な仕事が好きな方は、本当の意味で現場の技術的な事象に注力できます。
今の番頭さんみたいに、今後はどの会社にも名物の建設ディレクターがいるようになるんじゃないでしょうか。