今日の長浜市も夕方に急に大雨が降ってずぶ濡れになりましたが、みなさまの地域では雨の状況いかがでしょうか?

連日の大雨で土砂災害への注意喚起がなされていますよね。

斜面を構成している土は、土粒子と水と空気でできているわけですから、大雨が降ればその空気が押し出され、水に置き換わります。表層の土は空気を数10%は含んでいるので、それが水に置き換わると、その分だけ重くなって危険になることは明白です。

そんな土砂災害への警戒手段のひとつとして、根がちぎれる音がしたり、地山に亀裂が入ったりしているのに気づいたら避難しましょう、とメディアで伝えられているのもよく見ます。

みんながみんな法面屋ではないので、これも土砂災害への注意喚起の一つとして大事な情報だと思います。ただ、ここでちょっと注意しなくてはいけないのは、これはあくまで主に地すべりの場合を主とした話で、山くずれのような崩落の場合はまたちょっと話が違ってくることですよね。

地すべりと山くずれは、一緒にされがちですが、特徴や崩壊の仕組みが違っているので、全く同じようには考えられません。

地すべりは、必ずしも豪雨などを原因とせず、地下水や粘土層を主な原因として滑るので、そうした予兆を感じることができるかもしれません。

一方で山くずれの場合は、地表面の水が主な崩壊原因となるので、豪雨などでくずれるときは、一瞬で崩れます。

地すべりの場合は地すべり地形といって、その分布が公開されていたりするので参考にできると思います。暇があったら、自分の地域の山の等高線を確認しても判別できるかもしれません。

地すべりは粘土層や地下水を原因としてすべりますが、そんな地すべり地の土に含まれる粘土は、スメクタイトという粘土鉱物が主体となっていることが多いです。

スメクタイトは、水を含みやすい粘土鉱物の種類で、トンネル工事やいろんな工事で土木業者にはやっかいものあつかいされがちですよね。

一方で水を比較的含みにくいカオリナイトといった粘土鉱物があったりと、粘土鉱物も分別していくと深い世界です。

また粘土鉱物についても、法面工事に関係しそうなものを整理したいなと思います。