アスファルトが流体だというのは、有名な雑学らしいです。
個体に見えるアスファルトが実は粘度の高い流体であると教えるために実施されたピッチドロップ実験は、クイーンズランド大学で1927年から今もなお継続中の世界最長の室内実験というから驚きです。
法面の分野でいうと、ご存じの通り土石流も流体です。
そして、もっと身近な粘土も流体です。
粘土の中でのハルクアースアンカーの挙動について、土質力学やアンカーのありきたりなもの以外でそれを説明できるアプローチを探していたところ、流体力学の視点からのアプローチを思いつきました。
非常に地味なその勢いでそれらしい本を購入して、粘土の中を突き進むアンカーの頑張りを説明できそうな公式を探しました。
流体力学というと、飛行機の翼や新幹線、F1などをを連想されるでしょう。
音速に近い物体がまとう空気の流れが見える気がして、ちょっとかっこいいイメージです。
でもなんとなく、粘土の中を引き上げられてぬるぬると動くアンカーヘッドが、粘土という流体をかき分けていく姿を想像できないこともないでしょう?
せん断応力がすべり面に働いたり、アンカーヘッドの投影面積に力を受けたり、想像するとそれなりに引張り力を説明できそうな気がして、さっそく計算をやってみました。
その結果はまた次回書かせていただきます。