今回は、法面工事でのBIM/CIMについて少し紹介します。
BIM/CIMは、ご存じの通り現場を見える化します。当初は見える化というと、いわゆる現場の3次元化を想定していたのですが、やってみるともっといろいろ見えてきました。まず、施工の状況や過程等が見えるようになります。それは、設計照査、クレーンや足場などの仮設工の検討、施工の状況から過程の記録までに役立ちます。そのため、法枠+ロックボルトの工事や自然斜面を補強する場合等で用途や効果も変わってくるという認識です。
点群データと同じように、3次元データの正確性が話題になるのですが、弊社の作成しているBIM/CIMデータのもとは、レーザースキャナー(TLS)やドローンで取得した、誤差10mm以内の点群データです。それを3DCADで正確にモデル化しているので、正確な寸法が3次元モデルに反映されています。したがって、設計の際に受け取る2次元のCAD図面と同じように扱えます。これまで重宝してきた点群データにCADの要素がプラスされたことで、設計図的な扱いができるようになりました。現状の地表面に設計データを反映させられるだけでなく、法面工事ではこれまでロックボルトでもアンカーでも見えにくかった地中内の影響まで可視化できるので重宝します。
これだけでも十分役立つのですが、BIM/CIMではこの正確な3次元CADモデルに時間軸の要素を加えたり、仮設や施工のシミュレーションを行うことができます。
今回はグラウンドアンカー工の設計照査において、地中内の干渉(グループ効果)をチェックしたり、仮設工(足場やクレーン)の計画を検討している例を動画にしましたので、よろしければご覧ください。