チュニジアvsオーストラリアを観ながらこのブログを書いていますが、ワールドカップってこういういわゆる強豪同士でない国の対戦も気持ちがぶつかって面白いですよね。お互い休みなく限界まで絞り出している感じで、国を背負った意地を感じます。
さて、バンコクでのKMUTTのジョイントセミナーに続いて、国際会議Geomate Bangkok2022にて論文発表を行ってきましたので報告します。
ICSMGE、ISRSS仙台に引き続き、振り返ると今年3つ目の国際会議でした。国際会議も最近はオンラインばかりでしたので、現地に赴いて会議に参加するのは久しぶりでしたが、やはり各国の技術者に囲まれた空間で発表できるのは研究している醍醐味というか、癖になるような魅力的な時間です。
アースアンカーに関する研究も最初は単純な模型実験をやっていたのですが、気が付けば土の構成則を変化させながらFEM解析も行うようになってきました。アースアンカーに関する研究は、言い換えてしまえば土の強度や基礎、土圧に関する研究ですので、ロックボルトやグラウンドアンカー、法枠などの法面工事の研究に置き換えられます。
純粋にアースアンカーに関する論文を発表するのは、今回と採択済の来年のアジア会議で最後になろうかと思われます。今後はすでにネタがありますが、点群データを活用したモニタリングや維持管理手法についてFEM解析も関連付けながらの発表が続く予定です。
半数以上が同時接続のオンライン参加でしたが、会場にも参加者が集まっていて、多国籍な良い雰囲気でした。
早くこうした空間が当たり前に戻ることを期待します。
地盤工学系の発表でもSDGsを意識した論文が増えてきました。環境に配慮した地盤改良や持続可能な材料やセメントやアスファルトなどの発表も目立ちました。
斜面に関連する論文がもっとあるとさらに面白いのですが、今年は斜面に関連する論文が多くはありませんでした。ただ各国の技術者の研究のアプローチやプレゼンの方法をみているのも面白いです。
ICT法面工やモニタリングでアンテナを張っているからか、人工知能によるクラックの自動認識技術や衛星を利用した斜面などのモニタリングシステムの研究など、世界的にもICT関係の研究熱が高まっているように感じます。
フィリピンの国立大学University of the Philippinesの研究者がモニタリングに関する興味深い論文を発表していました。ほかにも興味深い発表をしている大学で、日本でいう東大的な立場ですので、来年のフィリピンでの活動の際に訪問しようと思います。
同じような研究をしているだけで国籍関係なくつながりあったり、研究発表を聞いてコンタクトをとったり、国際会議の魅力です。
久しぶりだったのと、研究のステージや自分の状況もいろいろと変化したので、発表中にいろいろと頭をよぎった国際会議でした。