台風14号の影響が気になる週末です。。ここまで自然災害が甚大化して異常な豪雨が頻繁に発生すると、法面保護工において、地下水位の影響はもはや無視できません。熱海の土砂災害以降、盛り土ではついに地下水によるすべり面の液状化の影響を認めるようになりました。ロックボルトの対策工などでも、場合によっては地下水位上昇時の安全率などを別途照査する必要もありそうです。
そうした状況も踏まえて現場の地下水位をモニタリングしています。
半年間ほどの観測ですが、地下水位の上昇はやはり降雨量に関連があることが観測できています。この現場では、設計のボーリング調査時の水位と観測した最大水位を比較すると、上の画像のように仮定できます。この観測結果から、地下水位上昇時は、ロックボルトの影響範囲まで水位が上昇していることがわかります。
このとき、地下水位上昇に伴う有効応力や粘着力の低下などで、法面の安全率は当然、地下水の影響がない場合よりも小さいものとなります。
そもそもこうった解析のためには、法枠+ロックボルトで補強された斜面を物理的・力学的性質を反映して構造物としてどうやってモデリングするかという問題が出てきます。どこかに正解が書いてある問題ではないので、水位の解析結果とあわせて、それについて弊社で検討を重ねた結果もまた書きたいと思います。