法面工事に限らず、土木の仕事の楽しみのひとつは、自分の知識や経験をもとに施工をより良くする提案や工夫を行うことだと思います。

今日は、元請け現場の施工品質を向上させるために、弊社からの提案について発注者と現場にて協議する機会を設けさせていただきました。

元請け工事をやっていると、地元の場合だと特に、現場に対して愛着が湧きますし、少しでも改善余地があるところには敏感になるものです。ちょっとした工夫で品質が向上するなら、そういう提案は施工業者としてその都度投げかけるべきだとも思っています。

法面保護工法には、いろんな工法がありますが、どの工法も現場条件によって一長一短です。樹林帯に最適化したユニットネットのような工法があれば、切土法面に最適化した法枠のような工法もあります。それぞれどこかに最適化していながらも、最適な現場条件からちょっとはずれたくらいの現場条件には対応できる許容範囲を持っています。

数千m2も自然斜面の現場があれば、山の状況もところどころ異なるところが出てきます。その現場の90%の範囲にその工法が最適であっても、ちょっとずれている他10%も出てきたりします。それでも設計として満足していれば、気になる10%の部分は併用工法でカバーするなど対策を取ることができます。それによって全体としての施工性を維持しながら、100%全範囲をその工法で最適化することができます。

逆にその10%に変に焦点を合わせた設計をすると、全体の施工性が台無しになったり、経済性が悪くなったり、設計が成り立たなくなったりします。

そもそも元の設計が理にかなっているので、実際にその気になる部分をそのまま施工したからといって、何か欠陥になるわけではありません。でも、ちょっと気になるところがあれば目を光らせて、施工業者としてこれまでの経験と実績から、かゆいところをカバーできるのが、技術力だと思っています。

こうした提案は創意工夫程度でできるものもあれば、工事費の数%程度が追加で必要になるものもあります。ただ、いずれにしても全体の施工性を維持しながら、その現場に100%最適化した工法になるのであれば、それは考慮する余地があります。

こちらが然るべき提案を行えば、発注者である県の担当者も、いろいろと制約がある中でこちらの話に耳を傾けてくれます。

法面について詳しい担当の方なら、いろいろと議論になることもあります。

今日はご担当の方から筋の通ったご指摘を頂いたりして、さらに議論を深めることができました。

施工会社として少しでも現場を良くするために、必要な議論を投げかけることは、技術者として現場を請け負った責任だと思います。
それが技術者として工事を行う楽しみであり、大翔が請け負った法面工事につく付加価値だと、プライドを持っています。

今日のように発注者との現場協議が形骸化しておらず、お互いの立場から技術者同士が意見を交える機会になっていれば、その現場は良いものに仕上がっていくはずです。