それでは、 ベーンせん断試験で得たcu とN値から得た計算値との比較をしたいと思います。
一般にN値から粘土の一軸圧縮強さquを求めるには、いくつかの推定式がありますが、今回は次式を用います。
qu = 12.5 N (kN/m2 ) ( Terzaghi & Peck )
cu = qu /2 であるので,
cu = 6.25 N (kN/m2 ) ---① を推定式として使います。
ベーンせん断試験の結果から、 当現場cu の実測値は約7~30 kPa でした。
現場の粘土層のN値は10か所簡易貫入試験を行って計測しましたが、2.7~4.2の範囲にありました。それを式①に当てはめると、
cu = 16.87~26.25 kPa と推定できます。
cu = 7~30 kPa が実測なので、最小値を見ると差がありますが、平均値で考えれば、悪くないのではないでしょうか。
法面の場合は、極限周面摩擦抵抗の推定値として粘性土の場合は、0.8 ・ c を使いますよね。
このcの値に不安がある場合は、削孔した穴に検尺棒のようにベーンを入れれば原位置で cu をはかることができます。
ベーンせん断試験自体は数分でできるものです。
粘性土を削孔する場合は、原位置ベーンせん断試験によりせん断強さを確認しますというのは、創意工夫としてできるのかもしれません。