アースアンカーの現場実験もひと通り終了し、アンカーの引抜きに伴って実験場とした地盤の掘り起こしを行いました。

実験場は、昔は田んぼでその後は畑だった場所です。
その情報と事前に簡易貫入試験を行った結果からも、地盤が砂質土と粘性土の層に分かれていることは推測されました。
実際の実験でもアンカーにはべっとりと粘土がついて引きあがってきており、変位と引抜き力の特性からも間違いなく粘土と砂に分かれていると判断できていました。

アンカー粘土

ロッドに残る土

ロッドにもアンカーから1m程度の最深部にだけ土が残っていて、地盤条件は予想通りと確信できましたが、さらに掘り起こしを行って地盤を直接把握しました。

アンカー粘土

アンカー設置部掘起し

アンカー粘土

粘土層確認

この地盤は試験を実施するからと言って特別な改良や締固めは行っていません。
ロックボルトをやる人なら粘土や砂については詳しいと思いますが、出てきた青色の粘土の種類を調べてみた結果、農業関係の記事が多く見つかりました。

アンカー粘土

採取した粘土

”グライ土”というキーワードが見つかったので、本地盤の粘土が青い原因はこのグライ化であると考えられます。
グライ土とは、水浸しで酸素が欠乏した土で鉄が還元した結果、青灰色ないし緑灰色にグライ化した無機質水成土壌の総称だということです。
(引用元:コトバンク)

また、青い粘土だけでなく、黒くこってりした粘土もみられたので、グライ化層を伴った黒泥土か、それに近い土でしょうか。

われわれ法面業者もロックボルトのスライムを触ったりするために土関係は詳しい方が多いと思いますが、農業を営む方や家庭菜園を楽しむ方にとっても土は重要なキーワードであることに変わりなく、ネットの検索だと圧倒的に農業関係者のブログや記事から教わることが多く助かります。

今回採取した土は含水比測定や採取箇所でのベーンせん断試験も行って、特性を明確にしていく予定です。
大学との共同実験は、実験が終わった後も土の特性などを明らかにしていくので、みんなにとって良い勉強の機会となります。

その様子はまた報告いたします。