弊社がドローンを使って計測誤差10mm以下を満たす精度で3次元計測を行うのにこだわっているのは、ICT法面工として運用するのだけを目的とせず、将来他分野にもこの技術を適用するためです。

現場単位では時折非効率になるほど、ノウハウの蓄積に取り組んでいます。それは、起伏、勾配変化、樹木や建物の障害物がある斜面上の構造物である法枠を、10mm以下の誤差で密に死角なく点群にできれば、その他たいていのものは測量できるからです。

高精度の計測技術をほかにも展開しようと考えると、それはGXともリンクしていくべきです。むしろ、GXのためにDXを磨いている側面もあります。

ご存じの通り、DXがデジタルトランスフォーメーションであるのに対して、GXはグリーントランスフォーメーションです。温室効果ガスの削減等の環境保全の取り組みを経済成長と両立させてポジティブに取り組んでいこうという動きです。

いわゆるカーボンニュートラルや30by30など生物多様性の取り組みが、冗談抜きに国内外で経済の大本命になっているいま、せっかく培ってきたDXの技術をそれと関連させないわけにはいきません。

洋上風力発電の羽の点検やカーボンプライシングやクレジットに関連して森林の点検、ブルーカーボンに絡めて湖や海洋の点検等、いろいろありますが、そうなると弊社がやっているような技術よりハイブリッドドローンなど飛行時間が圧倒的に長いドローンや人工衛星に強みがあったりします。

そもそも本業では、幸いにも弊社が強みを持っているSD工法やユニットネット工法などの自然斜面補強土工は、森林を保全しつつ斜面崩壊を抑えるもので、すでにGXを推進しています。

GX_グリーンインフラ

SD工法やユニットネットで森林を残して補強した斜面をレーザードローンで計測すると、法枠を施工した場合と比べて伐採せずに守れた森林量を数値化できます。それをクレジット化することで、発注者がクレジットを市場で取引するような事例もでてくるのではないでしょうか。
そうなると、自然斜面補強系の工法はこれからますます推進されそうです。法枠やモルタル吹付は、それしか対応できない現場条件を除いて今後大きく減少していくのではないでしょうか。
それらグリーンインフラの動きも注視しながら取り組んでいく必要がありそうです。

そして、上記の何に取り組むにしても結局はDXに対応していないとはじまりません。

ニッチな分野で技術を研鑽していますが、狭く深く潜りながらもたまに顔を上げてあたりを、大局を見渡しておく必要を強く感じます。