法枠工と鉄筋挿入工を施工した斜面に複数の傾斜計と水位計をつけて、維持補修や今後の斜面防災に役立てるため、1年以上大学とモニタリングを続けています。
現場からリアルタイムに飛んでくるデータを定期的に集計して、降雨量と地下水位の関係なども含めて調査しています。
先日、取り付けた傾斜計のひとつに異常な傾きが感知されました。
そこで現場を確認にいったところ、おわかりいただけるでしょうか、ボックスの左側のシートが少し膨れているのが。。。
そこでこのシートをめくってみると、タケノコがいました。
掘ってみると傾斜計を押しのけるように生えてきています。
そりゃまあ傾斜の値が大きくなるよね、と納得です。
このタケノコをとるのに初めてタケノコ堀りをしました。根の絡まった硬い地面を一生懸命掘るのには苦労しましたが、タケノコの根元のほうをスコップでサクッと切り取る瞬間が気持ちよかったです。
傾斜計を見るとわかりますが、鉛直に立てた傾斜計はそんなに極端に傾いているわけではありません。
すべりじゃなくてタケノコだったよというのは単なる笑い話なのですが、この微妙な動きをリアルタイムに300kmほど離れた大学で感知できたことは、ある意味で斜面のモニタリングが機能している証拠です。
タケノコの発生もわかるほど斜面が常時モニタリングされていると、土砂災害警戒区域の近隣に住まれる住民や道路管理者にとっては安心なのではないでしょうか。