ドローン(UAV)の活用は,2016年ころ現場空撮からスタートしました。現場の全景が把握しにくい法面現場の特性上,ドローンは地上からは目視しにくい法面の全体像を把握するのに役立ちました。そのほかにも法面上の浮石の発見など安全管理の面でも役に立っており、地山点検で不必要に法面に上がる必要がなくなりました。
その後,UAV写真測量として法面現場を3次元測量するのに使用し始めました。最初は,手動飛行計測によってカメラを真下に向ける計測を実施しました。国交省により斜め撮影が認められると,ドローンのカメラを斜めに向けて斜面に正対させて測量することで,法面上の起伏による死角もほとんどなくなり,精度が高い計測が行えるようになりました。手動で高いラップ率を維持してドローンを操縦するのは大変でしたが,2021年に斜面に正対させて自動飛行させるノウハウを得て,ICT法面工に適応できるUAV計測方法のひとつとして手法化しました。
法枠で高密度な点群を取得したり、さらに死角なく現場を計測したりしようと思うと、簡単な分ソフトウェアに制限される手法にも満足できなくなり、ソフトウェアに頼った斜面正対自動飛行からも卒業しました。
さらなる試行錯誤の結果、2022年には飛行計画を自由自在に操れるようになりました。あらゆるルートを組み合わせてドローンを飛行させ、あらゆる角度にカメラを向けて、法面を死角なく高精度に計測するノウハウを手に入れました。
飛行計画を作成するたび、現場で計測するたびに課題が見つかりそれを乗り越えることで日々進歩しています。